北海道大学大学院工学研究科応用物理学専攻量子物性工学講座物性物理学研究室にある研究グループのひとつです. 准教授の鈴浦秀勝を中心に物性理論の研究をしています. 研究室内には他に明楽浩史教授を中心とした我々とは独立した研究グループが存在します. 両グループとも物性理論を中心テーマとしていることは同じです.
それではグループ分けする理由はどこにあるかというと,第一には,学生の皆さんに対する指導責任の明確化です. 理論研究に限らず,大学の研究室では多くの場合,配属したての頃は基礎的な勉強をしなさいということで, テーマを与えられるという訳でもなく,放置されます.積極的に教員や先輩たちと交流を持ち,自分の居場所を見つけ行き, これだというテーマに遭遇できる場合はいいのですが,何となく,過ごしていると,研究室への足は遠のき, 教員と話すのは月に一度なんていうことになると,それはまずい状態です.
我々のグループの方針としては,全ての学生は週に数回程度は必ず鈴浦と議論し, 各自の進捗を定期的に報告するということを義務付けています. 基本的に,各自に,他のメンバーのサポートではない,独立したテーマが与えられますので鈴浦との議論が重要になると思います. もちろん,グループ内で取り組む研究テーマは相互に関係していますから,メンバー間の議論も必要になるでしょう. 4年生であれば,議論というよりは,教えを請う機会の方が多いでしょう. 個人的議論以外に,グループ全体での研究発表報告会,勉強会などにも参加してもらいます.
グループ分けするもうひとつの理由は,各グループで研究テーマが,物性理論という大きな枠で見れば同じですけども, その中での興味が異なることにあります. 研究とは未知なる真実の追究ですから,研究者ごとにテーマが異なるのは当然です. 研究室に配属される前の学生の人々は,勉強と研究の違いを強く認識しなければなりません. その研究の遂行には,それなりの装備が必要です.出来合いの装置を購入して操作すれば結果が出るというものではありませんし, ネットで検索しても答えは出てきません. 早い段階から指導教員とテーマを定め研究の準備に取り掛かることが良い,という考えがあってのグループ分けです.
北大工学部応用理工系学科応用物理工学コースでは,卒業研究として実質的な研究活動に従事してもらうことになっていると鈴浦は理解しています. つまり,量子力学や固体物理学の進んだ内容を習得しましたとか,今現在活発に行われている研究を調査し解説する,などという内容は卒業論文になり得ません. 我々のグループでは学生を放任することなく,日常的に議論を積み重ね,それぞれの目指す結果へ到達できるよう努力しています.
以上の話は,受身的な立場の話で,メンバーを拘束するものではありません. 日常の何気ない話から研究テーマの着想が生み出されることはよくあることです. 同じ研究室の明楽先生とそのグループとは一定の交流がありますので,各個人が共通の興味を見出せれば共同研究が可能ですし,興味が移行した場合,相手の許可さえあれば,グループを移ることに何ら支障はありません. 逆の場合も同様です.
より広い意味では,応用物理という枠内の理論的研究が可能で,実際,専攻内の実験グループからデータ提供を受け,その解析を行い, 新たな実験を提案するという形の研究を,卒業研究として行っている実績があります. 大学は(いい意味で)変わった人材を有する貴重な組織であり,上手く交流すれば刺激となり,得ることが必ずあります. 大学に自分の居場所があるという利点を活かし,グループ内に閉じこもらず,多くの人々とつながりを持つ努力をすることが推奨されます.
グループに関するお問い合わせは以下の電子メールアドレスまで:
suzuura#eng.hokudai.ac.jp (#をアットマークに変えてください)
直接話が聞きたいという場合は以下の部屋をご訪問下さい:
鈴浦の居室:工学部A棟2階21 (A2-21) 学生の居室:工学部A棟2階57 (A2-57)
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