電磁気学IIおよび電磁気学演習II(2020年度)受講者のためのページ

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以下は昨年度のページで,リンク先は切れている.

電磁気学IIおよび電磁気学演習II(2019年度)受講者のためのページ


更新情報


連絡事項(パスワード認証が必要)


各回の講義内容と演習問題

演習は毎回テスト形式で行う. 答案の採点はフォトニクス研究室の大学院生(M1)である一圓光氏が行う.

ファイルのダウンロードや採点結果確認のページ閲覧にはユーザー名とパスワードの入力が必要.

ここに,講義内容のアウトライン・演習問題・採点結果を,随時,掲載していく.

予習は必須ではないが,復習には十分に時間をかけることを推奨する.特に,すべての演習問題を解けるようにしておくことが試験対策への近道である.

意欲的な学生は,昨年度のページから講義内容と演習問題を確認するといいだろう.アクセス方法については連絡事項その1を参照せよ.

シラバス(北海道大学公式ページ)


参考書

電磁気学の参考書は膨大に存在する.

基礎物理を重視し基本法則の導出に重点が置かれるものから,工学的応用に着目し電磁場を如何に使うかということに集中するものまで,多種多様である.

ここでは,この講義の準備の際に参照している文献を列挙しておく.

まずは,基礎的なものから. 最初の文献は,電磁気学Iで指定されていた教科書.そちらを購入した場合は,電磁気学IIを続けて読めば,一貫した内容となるだろう.基礎的な内容を丁寧に説明している印象.

その他の3つの文献も,説明や式の導出が非常に丁寧である.初版の出版年が1982,1993,2009,2010と新しくなるにつれて,文章のスタイルも変化しているのは興味深い.著者の個性の方が影響は大きいだろうが,時代に応じた求められる内容の変遷が反映されていることは間違いない.

本格的に学ぶつもりなら以下の文献を勧める. 最初のものは古典的名著と言われている.私自身は読み通したことはないが,内容豊富であることは間違いない.

次の文献は,別の出版社からの再販だが,比較的新しい文献である.これまた内容豊富で,この講義の準備には大いに役立っている.細かく長い計算が気になる人には大いに役立つであろう.基礎が易しいことを意味しないのは言うまでもない.

最後の文献は2013年出版のかなり新しい英語文献.977ページと大部だが,内容が素晴らしい.古典的文献としてあげられることの多い Jackson や Panofsky and Phillips など捨てて良いとまで言いたくなる程だ.基礎的な説明もきちんとしており,電磁気学の造詣を深めたいなら強く勧める.京大のある先生と,ふとしたことでこの本の話題になり,その素晴らしさに共感できて,翻訳したら良いのではという話にまでなったのだが,残念ながら,自分にその力量はない.

名著であることは確かだとしても,これらの文献に,初学者が手をつけるのは推奨しない.全学教育の物理IIでMaxwell方程式を一通り学び,理解できている者ならチャレンジする価値はあるだろう.

講義後半では物質中の電磁場の振る舞いを取り扱う.応用物理の研究において物質の電磁応答を避けて通ることは難しいのだが,多自由度系の相互作用と向き合うことになり,その理解には,大変,骨が折れる.最近に出版された文献をふたつ挙げておく. ひとつめの著者は半導体スピントロニクスに関する理論研究の世界的大家である.私が最初に助手になったのとほぼ同時期に隣の研究室の助手となって2年間同僚であったこともあり,よく知っている仲である.彼の話は極めて明快で本質を突いており,この本の記述からもそれがうかがえ,一読の価値がある.

二つ目の文献は,前半で物質の電気分極や磁化を含んだマックスウェル方程式を議論し,後半では電磁波の多彩な現象に関する議論が展開され,この応用物理の講義で言えば,光学で扱う内容に及んでいる.ちなみに,著者の一人が,先に述べた京大の先生である.
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