統計力学IIおよび統計力学演習II(2013年度)受講者のためのページ
更新情報
- 0212:成績確定,演習期末試験得点分布公開.
- 0131:演習期末試験の案内,講義期末試験の問題・得点分布公開.
- 0128:第12回得点分布・コメント公開.
- 0123:期末試験の案内,第12回問題公開.
- 0114:第11回問題・得点分布・コメント公開.
- 1228:中間試験2問題・得点分布・コメント公開.
- 1224:第10回問題・得点分布・コメント公開.
- 1211:中間試験2の案内.
- 1210:第9回問題・得点分布・コメント公開.
- 1203:第8回問題・得点分布・コメント公開.
- 1126:第7回問題・得点分布・コメント公開.
- 1119:第6回問題・得点分布・コメント公開.
- 1113:中間試験問題・得点分布・コメント公開.
- 1102:第5回得点分布・コメント公開.
- 1031:中間試験の案内.
- 1030:第4回問題・得点分布・コメント公開,第5回問題公開.
- 1022:第3回問題・得点分布・コメント公開.
- 1015:第2回問題・得点分布・コメント公開.
- 1008:第1回問題・得点分布・コメント公開.
- 1001:ページ公開.
成績確定(0212)
講義・演習の合格者リスト:[htmlファイル]
演習期末試験の案内(0131)
以下の日程で演習の期末試験を行う.
2月04日(火)14:45−16:15 演習に対する期末試験
演習の時間に行うので,間違えないように.講義の時間は何も行わない.
以下の内容を問う.
- グランドカノニカル分布による古典理想気体の粒子数分布関数
- 調和振動子の集合としての格子振動による熱容量
- 自由フェルミ粒子系における占有数の期待値と分散
- 自由電子の圧力の温度依存性
- 常磁性帯磁率の温度依存性(キュリー則)
- 強磁性イジング模型の平均場近似による相転移
- ランダムウォークの連続極限による拡散方程式の導出
- ランジュバン方程式に従う粒子系の拡散定数
該当する演習問題と講義の試験問題を復習することを強く推奨する.結果を記述するのに最低限必要な情報は定義されているが,導出に対する誘導は省略されているので,そこまで考慮して頭に入れてくること.
この試験を受験する必要があるかどうかは,次のリンクにある暫定合格者リストを参照し,判断すること.
講義・演習の暫定合格者リスト(20140131):[htmlファイル]
期末試験の案内(0123)
以下の日程で,期末試験を実施する.
1月28日(火)13:00−14:30 講義に対する期末試験
2月04日(火)14:45−16:15 演習に対する期末試験
28日の演習の時間は,期末試験問題の解説を行う.4日の講義の時間は何も行わない.時間を間違えないようにご注意を.
講義に対する期末試験の出題内容は以下の通り.
- 強磁性イジング模型に対する平均場近似による相転移
(平均場近似により自由粒子系に置き換え,磁荷の期待値を計算し,その温度依存性を求める)
- 2次元格子上のランダムウォーク
(格子点上の分布関数に対する時間発展方程式を求め,連続極限を取ることにより拡散方程式を導出する)
- ランジュバン方程式に従う粒子系における拡散定数の導出
(位置の二乗の期待値が満たす微分方程式を導出し,熱平衡条件下における,その解の挙動を決定し拡散定数を求める)
- 拡散により到達するポテンシャル中の定常状態
(拡散方程式をポテンシャル中を運動する粒子に拡張し,定常状態を求める.実質的に,フォッカー・プランク方程式の変数を速度から位置に変えた問題と同じ)
通常の演習問題と同様に,計算に必要な定義は与えるが,類似する問題を解くことで計算時間を大幅に短縮できるだろう.
扱う内容が絞られており,対策はしやすいと期待する.これまでの結果を挽回するべく,高得点を狙っていただきたい.
しかし,カノニカル分布による期待値の計算,多変数関数のテイラー展開,複雑な関数の微分,常微分方程式の解法,長時間経過後の関数の漸近的挙動の抽出,などの計算手法に少しでもスキがあると,該当する問題を完答するのは難しいだろう.
これらは,今期の演習中に気がついた,多くの人に共通する弱点である.この機会に,たとえ,塀の穴を岩で塞ぐようなその場しのぎであったとしても,弱点克服に努めてもらいたい.
評価は3回の試験の平均点でまず行う.50点以上は無条件で合格.それ以下でも,合格の可能性は残されている.仮に,それで合格点に達しなかった場合でも,演習の期末試験で合格した者は,講義の単位も与える.ただし,3回中少なくとも2回の試験を受験している者に限る.
採点後すぐに情報をアップロードするので,最後の試験を受ける必要があるか,確認すること.今のところ,金曜日を予定しているが,出来る限り,早められるよう努力する.
演習の期末試験の詳細についても,その時に,公開する.
独り言
研究室配属前の学生たちのtwitterを拝見すると,アルバイトにサークル,モンスター育成狩り,将棋競馬麻雀パチスロ,サッカー野球卓球テニススキー,ゲームセンターカラオケボーリング,コミケ深夜アニメソシャゲー音ゲー,などと大変充実した日々を送られているように思える人が少なくない.これが,研究室に所属し,大学院に入ると,様変わりするのだが,それがオトナになるということなのか.
こちらは最近どうかといえば,スマホ版のDQが無料でできるということで,懐かしくなり,現実逃避として始めたものの,スライム弱すぎゴールドマン出過ぎのゆとり仕様であっという間に終わって楽しめない,とその前には,巨人の電子書籍を半額セールで大人買いしたのに,余裕がなくて放置していたら,幼いころは美少女戦士に夢中だったはずのムスメがすぐに最新巻まで読み通し,超大型巨人の正体をネタバレされて気分が萎え,それ以来ページを開いておらず,そして,そのムスメと同じ名前の馬が活躍しているのを思い出し,GIぐらいに出てるなら,久しぶりに,単勝でも買ってみるかと思ったら,とっくの昔に,引退してた,などというように,なかなか,夢中になれない.
学生の頃から,そんなに変わっていないつもりでも,この講義を始めてからの期間で,君たちと共通の接点を見つけようとしても,悲しい哉,ほんと,これぐらいしか思いつかないし,上に列挙したようなことには,あわせて10時間も使ってないのではなかろうか.
まあ,それとは違うことにリソースを投入しているだけの話で,実は学生たちのtwitterが様変わりするというのもビジネスとプライベートを切り分けるという振る舞いを身につけただけという可能性もある.それがオトナなんだとしたら,真にそういうことに時間がかけられなくなるのが,オトナを通り越して,年寄りになるということのなのかも.
もちろん,本当に言いたいのはそんなことじゃあなくて,我々にとっての仕事は,皆さんにとっては,アルバイトやサークルではなく,勉学であると主張したいわけである.せめて,講義受講時間も含めて,週40時間が,ヒラでも正社員になりたければ,求められる最低限の労働時間だと考えていただけないかと.
テスト対策の勉強と同じ土俵で議論するのは無理があるけれども,研究室に入ったら,これぐらいの覚悟で臨んでもらえたら,という話のリンクで締めくくりたい.難しいことを理解するには,それなりの時間をかける必要がある,というだけのことだ.
セミナーの準備のしかたについて
中間試験2の案内(1211)
以下の日程で,講義に対する,中間試験を実施する.
12月17日(火)13:00−14:30
続く演習の時間に,テスト問題の解説を行う.通常の演習は行わず,出席も取らないので,試験の解答例を知りたい者のみが出席すればよい.
出題内容は以下の通り.
- ボーズ分布関数の導出と化学ポテンシャルに対する条件
- 理想フェルミ気体に対するベルヌーイの公式
- 理想フェルミ気体に対する低温極限におけるエネルギー
- 理想フェルミ気体に対する圧力の温度依存性のグラフ
- 密度変化によるボーズ凝縮
- 理想ボーズ気体に対する圧力の体積依存性のグラフ
- 格子振動に対する熱エネルギーの温度依存性
選択問題はなく,すべての内容について解答を求められるので,漏れの無いように.
計算に必要な公式は掲載する.ただし,ボーズ粒子・フェルミ粒子とは何かについては記憶しておくこと.
粒子数の表式から化学ポテンシャルを粒子数の関数として解いてエネルギー・圧力を計算するという厳密な議論は求めない.古典極限では古典理想気体に漸近し,量子極限は熱励起可能な状態にある粒子のみが温度に比例したエネルギーを獲得する,という程度の定性的な議論により,温度依存性を議論してもらう.
熱的性質に反映される量子統計性に関する重要ポイントを網羅的に問うている.講義・演習の内容をきちんと理解すれば完答できるだろう.通常より問題数が多いので,結果の暗記が大変有効だとは思うが,3次元系の性質を議論するとは限らないことと,加点されるのは論理的な導出部分であることを強調しておく.ささいなことでも,これからそれが導かれる,という根拠を明確にするステップを踏むことを意識せよ.
期末試験を1月28日に予定しており,3回の試験の平均点により評価を行う.1回目の試験の結果が思わしくなかった人は,言うまでもないが,今回も振るわなかった場合,期末での挽回は難しくなる.そうなったら,ウォール・ローゼに穴が開く,ぐらいの危機感を持って,時間をかけて十分な対策をしていただきたい.
中間試験の案内(1031)
以下の日程で,講義に対する,中間試験を実施する.
11月5日(火)13:00−14:30
続く演習の時間に,テスト問題の解説を行う.通常の演習は行わず,出席も取らないので,中間試験の解答を知りたい者のみが出席すればよい.
出題範囲は第5回までの講義・演習で扱った内容とする.具体的には,以下の内容について問う予定である.
- ミクロカノニカル分布による理想気体の熱力学的性質
- ミクロカノニカル分布による常磁性帯磁率(2準位系の応用)
- カノニカル分布におけるエネルギー分散と定積熱容量の関係
- カノニカル分布による固体中の欠陥密度(2準位系の応用)
- カノニカル分布による高分子弾性(2準位系の応用)
- グランドカノニカル分布による理想気体の粒子数分布
- グランドカノニカル分布による混合理想気体の圧力と化学ポテンシャル
3つの分布の全てについて,具体的な計算の実行を求められるので,満遍なく,学習すること.どの分布で計算しても同じ結論になるのだが,問題ごとに,特定の分布を使って計算するように指示があることに注意せよ.
本質的には,理想気体と2準位系の問題で,ほとんど,尽きている.類似問題の解き方を,充分に,研究してくること.
今後,年内にもう一度中間試験を,第15回に期末試験を行う予定で,基本的に,全試験の平均点により成績評価を行う予定である.講義の単位取得要件として,3回の試験のうち,少なくとも,2回の試験の受験を求める.欠席した場合は,その回は0点として扱うが,特別な事情がある場合はその限りではないので,必ず事前に,申し出ること.
最終回第16回は,講義は行わず,演習の時間に,演習に対する期末試験を実施する.演習の成績は,基本的に,通常の平均点により評価を行うので,実質的に,救済措置と考えてもらってよい.しかし,演習への出席は,単位取得要件としないので,仮に,演習が全欠席でも,この試験に合格すれば,単位は与える.また,この試験は,講義の再試験も兼ねている.講義の試験で合格点に達しなかった場合でも,演習の期末試験で合格すれば,講義の単位も与える(ただし,上で述べた単位取得要件を満たしている必要がある).
講義と演習の試験で,内容を切り分けることはない.演習で扱った内容を,講義に対する試験で問われることもあるし,演習の期末試験では,演習問題だけではなく,講義で扱った内容や,講義に対する試験問題で扱った内容も,出題範囲に含めるので,その試験を受ける必要が生じた場合は,試験問題の復習を怠らないこと.健闘を祈る.
配布資料
- 配布資料1:講義・演習の進め方とその評価(1001)
各回の講義内容と演習問題
演習は毎回テスト形式で行う.
答案の採点は数理物理工学研究室の大学院生(D1)である渡邉章友氏が行う.
- 第1回 (1001):統計力学への準備:[演習問題]
1-1 統計力学とは
1-2 確率論の基礎
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全57人中) |
0 | 0 | 2 | 5 | 3 | 5 |
4 | 9 | 13 | 4 | 12 |
(配点=150:平均点=76:最高点=145)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第2回 (1008):ミクロカノニカル分布:[演習問題]
2-1 様々な統計分布
2-2 状態密度
2-3 ミクロカノニカル分布
2-4 理想気体
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全58人中) |
6 | 13 | 9 | 14 | 7 | 4 |
2 | 0 | 1 | 1 | 1 |
(配点=150:平均点=31:最高点=120)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第3回 (1015):カノニカル分布:[演習問題]
3-1 カノニカル分布
3-2 エネルギー期待値のゆらぎ
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全56人中) |
0 | 3 | 6 | 7 | 5 | 11 |
6 | 5 | 4 | 3 | 6 |
(配点=150:平均点=58:最高点=135)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第4回 (1022):カノニカル分布の応用:[演習問題]
4-1 自由粒子
4-2 理想気体
4-3 二準位系
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全58人中) |
3 | 8 | 6 | 7 | 7 | 9 |
8 | 6 | 3 | 0 | 1 |
(配点=150:平均点=44:最高点=120)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第5回 (1029):グランドカノニカル分布:[演習問題]
5-1 化学ポテンシャル
5-2 グランドカノニカル分布
5-3 理想気体
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全54人中) |
0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 |
4 | 4 | 7 | 8 | 25 |
(配点=150:平均点=91:最高点=130)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 中間試験(1105):[試験問題]
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全57人中) |
7 | 10 | 8 | 4 | 3 | 6 |
6 | 3 | 5 | 1 | 4 |
(配点=90-120:平均点=41:最高点=105)
採点者(鈴浦)のコメント:[HTMLファイル]
- 第6回 (1112):粒子の量子統計性:[演習問題]
6-1 多粒子系の量子論
6-2 占有数表示
6-3 量子理想気体
6-4 1粒子分布関数
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全57人中) |
1 | 0 | 1 | 3 | 1 | 3 |
12 | 12 | 8 | 10 | 6 |
(配点=150:平均点=73:最高点=120)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第7回 (1119):量子理想気体:[演習問題]
7-1 ベルヌーイの公式
7-2 粒子数と化学ポテンシャル
7-3 高温展開
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全57人中) |
1 | 2 | 2 | 4 | 1 | 4 |
5 | 8 | 5 | 10 | 15 |
(配点=150:平均点=80:最高点=150)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第8回 (1126):フェルミ分布の応用:[演習問題]
8-1 ゼロ温度
8-2 低温展開
8-3 電子比熱
8-4 パウリ常磁性
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全55人中) |
1 | 3 | 3 | 2 | 9 | 9 |
12 | 9 | 5 | 0 | 2 |
(配点=150:平均点=55:最高点=105)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第9回 (1203):ボーズ分布の応用:[演習問題]
9-1 ボーズ・アインシュタイン凝縮
9-2 調和振動子
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全53人中) |
4 | 5 | 8 | 9 | 8 | 4 |
4 | 4 | 6 | 1 | 0 |
(配点=150:平均点=41:最高点=90)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第10回 (1210):格子模型における相転移:[演習問題]
10-1 イジング模型
10-2 強磁性相転移
10-3 合金の秩序・無秩序相転移
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全54人中) |
3 | 5 | 4 | 7 | 14 | 5 |
6 | 5 | 0 | 3 | 2 |
(配点=150:平均点=46:最高点=110)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 中間試験2(1217):[試験問題]
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全59人中) |
5 | 9 | 11 | 6 | 8 | 6 |
2 | 2 | 2 | 6 | 2 |
(配点=120:平均点=43:最高点=117)
採点者(鈴浦)のコメント:[HTMLファイル]
- 第11回 (0107):拡散現象:[演習問題]
11-1 導体中の電荷の運動
11-2 ランジュバン方程式
11-3 アインシュタイン関係式
11-4 ランダムウォーク
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全55人中) |
1 | 4 | 2 | 9 | 7 | 10 |
7 | 6 | 5 | 3 | 1 |
(配点=150:平均点=52:最高点=100)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 第12回 (0121):熱平衡状態への緩和:[演習問題]
12-1 速度分布関数の時間発展
12-2 クラマース・モヤル展開
12-3 フォッカー・プランク方程式
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全55人中) |
0 | 0 | 11 | 4 | 6 | 9 |
6 | 7 | 1 | 4 | 7 |
(配点=150:平均点=57:最高点=115)
採点者(渡邉)のコメント:[PDFファイル]
- 期末試験(0128):[試験問題]
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全51人中) |
0 | 5 | 2 | 2 | 3 | 8 |
8 | 6 | 7 | 5 | 5 |
(配点=120:平均点=64:最高点=117)
採点者(鈴浦)のコメント:[HTMLファイル]
- 演習期末試験(0204):[試験問題]
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全33人中) |
2 | 0 | 0 | 1 | 4 | 3 |
6 | 1 | 3 | 3 | 10 |
(配点=100:平均点=72:最高点=100)
採点結果:[HTMLファイル]
シラバス(北海道大学公式ページ)
-
シラバス検索
別ウインドウが開くので,課程区分を「学士課程」,教員名を「suzuura」あるいは「鈴浦」で検索を.
参考文献のリンクから北大図書館の蔵書検索の結果を見ることが出来る.全て図書館に有るらしい.
参考書
シラバスに示した参考書をここにも列挙しておく.これらの文献は講義計画に沿うものとして頻繁に参照していると理解いただいてよい
- 岩波基礎物理シリーズ第7巻「統計力学」,長岡洋介(岩波書店)
- 統計力学,久保亮五著(共立出版)
- キッテル熱物理学,山下次郎他訳(丸善)
- 熱学入門,藤原邦男他著(東大出版会)
- 統計力学,土井正男著(朝倉書店)
- 統計力学を学ぶ人のために,芦田正巳著(オーム社)
- ゼロからの熱力学と統計力学,和達三樹他著(岩波書店)
.
最初のものは統計力学Iで使用したもの.
5章の内容までを取り扱う予定となっているが,今年は,打ち合わせをする機会が持てず,ここまで来てしまった.
Iでは主に古典統計力学を扱い,IIでは量子統計力学を扱う,というのが基本的な講義設計であるが,
この講義だけで,統計力学全体が理解できるように,最初の数回は,Iの内容と重複する,復習となる予定.
次の2つは古典的で私が学生の頃に参考書として挙げられたものだが,初学者にはやや難しいかもしれない.
最後の3つは比較的最近の教科書.
最終的には非平衡統計力学の初歩にまで到達したい.非平衡の話は上述の文献では対応できない.
- 岩波基礎物理シリーズ第8巻「非平衡の統計力学」,北原和夫(岩波書店)
- 非平衡系の科学II:緩和過程の統計力学,北原和夫著(講談社サイエンティフィック)
- 非平衡系の統計力学,藤坂博一(産業図書)
- 非平衡系のダイナミクス,早川禮之助他著(培風館)
非平衡系を扱えるのは,せいぜい,2,3回なので,この講義だけのためにこれらの参考書を購入する必要はない.しかし,その名称から推察できるが,平衡でないということしか言っていないので,実は,多くの研究対象が非平衡系である.外部からエネルギーや粒子を供給し続ける電気・熱などの輸送現象はもちろん,生命系も非平衡物理現象と捉えることができる.
そのような興味深い現象には全く立ち入れないが,興味を持った者は,どんどん,学習を進めてもらいたい.
演習で出される問題を解く際も上記の参考書でほとんど対応できるはず.ただ,統計力学で学部生に計算できる範囲の問題は限られている.
それを考えると,それらに手っ取り早く取り組める演習書を購入するのもいいだろう.
- 大学演習 熱学統計力学,久保亮五編(裳華房)
- 演習 熱力学・統計力学,広池和夫他著(サイエンス社)
これらは,私が学生の頃から使っているもので,今でも手に入るはず.
特に,前者は英訳もなされるほど著名な本で,物性理論を専門とする研究者は一度は必ず手に取っていると思う.
また,非平衡統計力学の内容も扱っている.
統計力学Iで教科書指定があったので,こちらでも同じものを指定しておいたが,それがどうしても必要という訳ではない.半年,それで学習したんだから,色々と探してみて,今回は自分の考え方と相性のいいものを選ぶのが良いと思う.
物理は答えが1つなのだからどれか1つのやり方を,極端な話,丸暗記すれば良いという考え方もあろう.
しかし,我々が学んでもらいたいのは結果に至るプロセスである.
普遍性が高い現象ほど出発点が同じならどういう道筋を経ても同じ結論に到達するもので,つまり,理解の仕方は多種多様である.
様々な理解の仕方に納得できれば理想だが,まずは,自分に合ったものを探すのが勉強の第一歩と思って欲しい.
この講義は,専門書が読みこなせるための導入のつもりで行うので,自分の購入した本と見比べながら勉強を進めてもらえたらいいのではないか.
最近出版された文献を一つ追加する.
ゼロから学ぶ統計力学,加藤岳生著(講談社)
私が,最近,とある仕事を振られて,学者の仕事の多くがそうだけれども,ボランティアとして一年,それなりのリソースを投入するはめに陥った原因を作った人が書いた本である.
一緒に仕事をして,非常にきちんとした人であることがわかったのだが,この本を読んで,さらにそう確信した.
初学者に対しての配慮がすばらしく,説明は極めて明快であり,統計力学の勘所がわかりやすく紐解かれている.
統計力学Iであれば,これを教科書にしても良かったと思う.
分かりやすさ重視で,内容が絞られているのだが,特に,量子統計力学に関する記述が不足しているので,これだけでこの講義内容をカバーすることができない.基礎的な部分の理解を確実にしたいという目的であれば,一読の価値あり.
最後に,将来,理論研究に取り組みたいと考える学生のために,文献を一つ追加したい.
統計力学 I, II,田崎晴明著(培風館)
詳しくはリンク先を見てもらうとして,簡単とは言えないかもしれないが,内容の説明・式の導出が非常に丁寧であり,私が講義で話をしたい内容のほとんど全てがこの本に含まれていると言っても過言ではない.
特に,IIに含まれる内容は,この講義で提供する予定の内容と大きく重なっているが,これを教科書として半年で講義するには,私の能力が不足している.
著者の田崎晴明氏は量子スピン系,遍歴電子系の強磁性に関する数理的に厳密な解析に関する業績により知られている,世界で通用する日本人物性理論研究者のうちの一人であり,
まさに専門家として統計力学を語るにふさわしい.
数学的な厳密さを追うだけではなく,統計力学のココロのようなものを伝えようと工夫がなされ,
また,数理物理的研究がどのようになされるかという雰囲気まで垣間見えるようなところもある.
少なくとも,理論研究を志す者は一度は目を通す価値が有ると思うし,自分が学生の頃,このような本があったらよかったと思う.
ただし,上でも述べたが,これが万人に通用するとは限らない.
新しいことを学ぶ際に,教員・教科書との相性というのは無視できない影響を及ぼす.
残念ながら教員は選べないので,手本とする教科書だけは自分にあったものを選んでいただきたい.
ひとつの教科書を選んだ後も,分からない部分に遭遇したらよく考えるのと同時に,必ず,別な文献を参照するよう心がけて欲しい.
思わず膝を打つような説明に出会えることも有るはずだ.
インターネットの検索エンジンは確かに便利だが,文章に込められた著者の思いは書籍の方が何倍も重いと思う.
物理を学ぶ者は,高度な知的活動に携わるものとしてその価値を見出し対価を支払うこと受け入れ,知識を蓄えた後,将来は知的生産活動に貢献して対価を受け取る立場になって欲しいと思う.
統計力学IIおよび統計力学演習II(2013年度)受講者のためのページ