統計力学Iおよび統計力学演習I(2008年度)受講者のためのページ
更新情報
- 0821:評価確定.演習期末試験問題公開.
- 0729:第15回講義内容公開.期末試験問題公開.中間・期末試験結果の公開.
- 0714:第13回講義内容と演習問題公開.
- 0708:第12回講義内容と演習問題公開.期末試験の案内.
- 0701:第11回講義内容と演習問題公開.
- 0623:第10回講義内容と演習問題公開.中間試験問題の公開.
- 0609:第8回講義内容と演習問題公開.
- 0602:第7回講義内容と演習問題公開.教室変更の案内.中間試験の案内.
- 0526:第6回講義内容と演習問題公開.
- 0519:第5回講義内容と演習問題公開.
- 0512:第4回講義内容と演習問題公開.
- 0421:第3回講義内容と演習問題公開.
- 0414:第2回講義内容と演習問題公開.
- 0408:ページ公開.
統計力学(講義・演習)の評価確定
期末試験の案内
7月22日(火)13:00−14:30 講義に対する期末試験
8月 5日(火)13:00−15:00 演習に対する期末試験(実施時間に注意:不都合が有る場合は至急申し出ること)
統計力学I(講義)と統計力学演習I(演習)の期末試験を上記の日程で行う.
7月22日(火)は続く演習の時間に試験問題の解説を行い,通常の演習は行わないので,演習のみを受講している学生は3,4限とも出席する必要は無い.
出題範囲は,第10回から第13回までに扱った内容全体.グランドカノニカル分布,フェルミ分布,ボーズ分布,これらの応用である.
8月5日(火)の試験は,演習の単位を必要とする者は必ず受験すること.
出題範囲は全範囲とする.講義ノート,演習問題,中間・期末試験の問題をしっかりと復習せよ.
基本的内容からいくつかの内容を組み合わせた応用問題まで多様なレベルの問題を出す予定.
講義の中間・期末試験の出来が芳しくなく単位取得が危うい場合,この試験の出来具合によっては合格とする可能性が有るので,最後まで希望を捨てず努力してもらいたい.
よって,演習の単位を必要としない者の受験も可とする.
ただし,中間試験・期末試験の両方を欠席した場合,講義の単位は自動的に不合格とするので注意せよ.
7月29日(火)は学生からの質問をその場で受け付け,それに応じて解説を行う.
多くの場合,理解困難な部分は他にもそう感じている人が居ると考えてよい.
自分が理解していない部分を特定してこそ,新しいことを学ぶことが出来る.
そういう機会になれば幸いであるが,出席は取らないので,自分で勉強すればよいという人は出席しなくても良い.
この時期は,北海道でも,じっと講義を聞くには暑すぎる.快適な場所で勉強したいという気持ちは充分理解できるので.
中間試験の案内
6月17日(火)13:00−14:30 講義に対する中間試験
統計力学I(講義)に対する中間試験を上記の講義時間中に行う.
続く演習の時間に試験問題の解説を行い,通常の演習は行わないので,演習のみを受講している学生は3,4限とも出席する必要は無い.
ただし,講義のみを受講している場合でも,演習問題に目を通しておくことを強く推奨する.
出題範囲は以下の通り.
- 状態数と状態密度
- ミクロカノニカル分布の仮定とそれによる理想気体の熱力学量の導出
- カノニカル分布の仮定とそれによる理想気体の熱力学量の導出
- ミクロカノニカル分布とカノニカル分布の等価性
- カノニカル分布の応用(格子比熱,常磁性体の帯磁率とエントロピー)
講義ノート・演習問題で扱った内容をしっかりと復習すること.
通常の演習問題のような丁寧な誘導は付けないので,
何を仮定して出発しどういう論理展開で結論を導くのかを一つ一つ確認しながら学習せよ.
教室変更の案内
6月よりC棟改修工事のため教室が変更になります.今後は講義・演習共に
N302
にて行うのでご注意を.
このページについて
ここでは統計力学Iおよび統計力学演習Iで使用する配布資料を公開する.
ファイルはすべてPDF形式であり,ダウンロードにはユーザー名とパスワードによる認証が必要である.
配布資料
- 配布資料1:講義・演習の進め方とその評価(0408)
各回の講義内容と演習問題
演習問題は毎回テスト形式で行う.
答案の採点は数理物理工学研究室の大学院生(M2)である小野頌太氏が行う.
- 第1回 (0408):数学的準備:(応用物理工学コース研究室紹介のため演習は休講)
1-1 二項係数(二項展開,一般化)
1-2 ガンマ関数(積分による定義,漸近展開)
1-3 N次元球の体積(表面積と体積,N次元ガウス積分)
- 第2回 (0415):熱力学の基礎:[演習問題]
2-1 熱力学と統計力学
2-2 熱平衡状態とそれを特徴づける物理量
2-3 熱力学の基本法則
2-4 様々なエネルギー
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全54人中) |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
0 | 1 | 0 | 2 | 51 |
(配点=120:平均点=116:最高点=120)
- 第3回 (0422):確率論の基礎:[演習問題]
3-1 確率分布
3-2 期待値と分散
3-3 連続変数の場合
3-4 大数の法則
3-5 中心極限定理
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全54人中) |
0 | 1 | 0 | 9 | 9 | 13 |
4 | 5 | 6 | 3 | 4 |
(配点=120:平均点=59.5:最高点=115)
- 第4回 (0513):統計力学の考え方:[演習問題]
4-1 微視的運動方程式
4-2 エルゴード仮説
4-3 状態数と状態密度
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全51人中) |
1 | 3 | 1 | 9 | 4 | 5 |
10 | 7 | 4 | 3 | 4 |
(配点=120:平均点=56.8:最高点=115)
- 第5回 (0520):ミクロカノニカル分布(等重率の原理):[演習問題]
5-1 様々な統計分布
5-2 等重率の原理
5-3 ボルツマンの公式
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全51人中) |
0 | 4 | 7 | 2 | 8 | 6 |
5 | 4 | 6 | 6 | 3 |
(配点=120:平均点=55.8:最高点=118)
- 第6回 (0527):ミクロカノニカル分布(最も確からしい状態):[演習問題]
6-1 N粒子状態の別の表現
6-2 最も確からしい状態
6-3 ボルツマンの公式
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全55人中) |
5 | 2 | 3 | 8 | 13 | 5 |
4 | 2 | 5 | 3 | 5 |
(配点=120:平均点=51.5:最高点=120)
- 第7回 (0603):カノニカル分布:[演習問題]
7-1 カノニカル分布の導出
7-2 状態和
7-3 ミクロカノニカル分布との等価性
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全52人中) |
8 | 9 | 8 | 8 | 4 | 8 |
1 | 0 | 2 | 1 | 3 |
(配点=120:平均点=35.5:最高点=110)
- 第8回 (0610):カノニカル分布の応用:[演習問題]
8-1 自由粒子系の分配関数
8-2 理想気体
8-3 格子比熱
8-4 常磁性体
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全46人中) |
4 | 4 | 6 | 7 | 1 | 3 |
2 | 6 | 7 | 3 | 3 |
(配点=120:平均点=50.7:最高点=108)
- 第9回 (0617):統計力学I中間試験:[試験問題]:(演習の時間に問題の解説)
- 第10回 (0624):グランドカノニカル分布:[演習問題]
10-1 ギブスのパラドックス
10-2 化学ポテンシャル
10-3 大分配関数
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全54人中) |
1 | 0 | 0 | 2 | 6 | 8 |
7 | 6 | 2 | 3 | 19 |
(配点=150:平均点=81.9:最高点=150)
- 第11回 (0701):グランドカノニカル分布の応用と量子統計:[演習問題]
11-1 理想気体
11-2 カノニカル分布との等価性
11-3 量子論からの要請
11-4 量子理想気体の大分配関数
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全53人中) |
0 | 1 | 3 | 7 | 4 | 4 |
4 | 10 | 6 | 5 | 9 |
(配点=150:平均点=68.3:最高点=145)
- 第12回 (0708):フェルミ分布とボーズ分布:[演習問題]
12-1 フェルミ分布
12-2 ボーズ分布
12-3 古典近似
12-4 量子補正
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全49人中) |
2 | 6 | 6 | 7 | 5 | 4 |
1 | 3 | 6 | 4 | 5 |
(配点=150:平均点=54.2:最高点=125)
- 第13回 (0715):フェルミ分布とボーズ分布の応用:[演習問題]
13-1 物理量の分布関数による表現
13-2 電子比熱
13-3 ボーズ凝縮
得点範囲(下限) |
0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 |
60 | 70 | 80 | 90 | 100 |
人数(全51人中) |
5 | 8 | 7 | 5 | 5 | 6 |
4 | 0 | 4 | 4 | 3 |
(配点=150:平均点=44.7:最高点=140)
- 第14回 (0722):統計力学I期末試験:[試験問題]:(演習の時間に問題の解説)
- 第15回 (0729):全体の補足
自由エネルギー
断熱過程
ミクロカノニカル分布における一様分布とボルツマンの原理
カノニカル分布による理想気体に対する1粒子の確率分布と分配関数
グランドカノニカル分布による理想気体に対する1粒子「状態」の確率分布
理想量子気体の圧力
- 第16回 (0805):統計力学I演習期末試験:[試験問題]
シラバス(北海道大学公式ページ)
-
シラバス検索
別ウインドウが開くので,課程区分を「学士課程」,教員名を「suzuura」あるいは「鈴浦」で検索を.
参考文献のリンクから北大図書館の蔵書検索の結果を見ることが出来る.全て図書館に有るらしい.
このシラバスはコース配属時に配布された便覧にある内容とは異なるので注意する.
参考書
シラバスに示した参考書をここにも列挙しておく.
- 統計力学,久保亮五著(共立出版)
- キッテル熱物理学,山下次郎他訳(丸善)
- 熱力学・統計力学,原島鮮著(培風館)
- 熱学入門,藤原邦男他著(東大出版会)
- 統計力学,土井正男著(朝倉書店)
- 統計力学を学ぶ人のために,芦田正巳著(オーム社)
- ゼロからの熱力学と統計力学,和達三樹他著(岩波書店)
上記のリストにある文献は講義計画に沿うものとして頻繁に参照していると理解いただいてよい.
順番は特に意味は無い.最初の3つは古典的で私が学生の頃に参考書として挙げられたものだが,
初学者にはやや難しいかもしれない.
ちなみに,統計力学IIでは以下の文献を教科書として使用する.
- 岩波基礎物理シリーズ第7巻「統計力学」,長岡洋介(岩波書店)
ひとつの教科書で済ませたいという人はこちらを購入すると良い.
同じような話を2回聞いても無駄と考えるので,私は,なるべく参照しないようにしている.
IIを担当する水野先生と相談して,Iでは統計力学の基礎の部分と,その応用として理想気体・磁性体を主に取り扱い,
IIでは様々な物理現象に対して統計力学を如何に応用するかという所に力点を置くことになっている.
演習で出される問題を解く際も上記の参考書でほとんど対応できるはず.ただ,統計力学で学部生に計算できる範囲の問題は限られている.
それを考えると,それらに手っ取り早く取り組める演習書を購入するのもいいだろう.
- 大学演習 熱学統計力学,久保亮五編(裳華房)
- 演習 熱力学・統計力学,広池和夫他著(サイエンス社)
これらは,私が学生の頃から使っているもので,今でも手に入るはず.
特に,前者は英訳もなされるほど著名な本で,物性理論を専門とする研究者は一度は必ず手に取っていると思う.
教科書を1つ指定して欲しいという意見は毎年出るのだが,昨年度と同様,あえて尋ねられたら上記に挙げた参考書の中から選びなさいと言う.
物理は答えが1つなのだからどれか1つのやり方を,極端な話,丸暗記すれば良いという考え方もあろう.
しかし,我々が学んでもらいたいのは結果に至るプロセスである.
普遍性が高い現象ほど出発点が同じならどういう道筋を経ても同じ結論に到達するもので,つまり,理解の仕方は多種多様である.
様々な理解の仕方に納得できれば理想だが,まずは,自分に合ったものを探すのが勉強の第一歩と思って欲しい.
この講義は,専門書が読みこなせるための導入のつもりで行うので,自分の購入した本と見比べながら勉強を進めてもらえたらいいのではないか.
統計力学Iおよび統計力学演習I(2008年度)受講者のためのページ